FortiGate HA 2025年10月1日
FGCPにおけるプライマリ/セカンダリ選定基準
はじめに
- FortiGateをHA (High Availability) 構成で運用する際、FGCP (FortiGate Clustering Protocol) がノード間の役割を自動的に決定します。
この記事では、プライマリ(アクティブ)とセカンダリ(スタンバイ)がどのような基準で選ばれるかを解説します。
FGCPの基本動作
- HA構成では、FortiGate同士がハートビートインターフェイスを介して状態を監視。
- 常に1台がプライマリとして稼働し、残りがセカンダリとなる。
- 障害や再起動時にはフェイルオーバーが発生し、クラスタ内で再度選定が行われる。
プライマリ選定の基準
FGCPでは、クラスタ内でプライマリ(マスター)を選定する際に、以下の順序で比較が行われます。
(1) 稼働時間(Uptime)
- 最も優先されるのは 稼働時間の長さ
- 起動時間の差が5分未満の場合は選定基準として判断しない
- これは、再起動直後などで安定していない機器が誤ってプライマリにならないようにするための仕組み
(2) HA Priority
config system ha
set priority <1-255>
end
- デフォルト値は 128
- Uptimeが同等(差が5分以下)の場合、Priorityが高い方がプライマリになる
- 明示的に制御したい場合は、プライマリ機器側の値を高くするのがベストプラクティス
(3) モニターインターフェイス/リンクモニター
- FGCPでは、モニター対象のインターフェイスがダウン すると、そのFortiGateにペナルティスコアが加算され、ペナルティスコアが高い機器は稼働時間やHA Priorityの数値に関係なくセカンダリへ降格する
- モニターには大きく2種類:
- モニターインターフェイス: 物理リンク/LAGの状態を監視し、監視対象のインターフェイスがリンクダウンするとペナルティスコアとして加算する
- リンクモニター: 指定した宛先にPingを実行し、応答が無い場合はレイヤ3での障害とみなしペナルティスコアとして加算する
- これにより「回線障害時に意図通りにフェイルオーバーさせる」ことが可能
- 例:
- WAN1でインターネットがダウン → WAN2側を持つセカンダリに切り替わる
- LAGの物理ポート1本ダウン → LAG自体がUpであれば影響なし(min-links設定を組み合わせて制御可能)
運用のポイント
- 明示的にHA Priorityを設定する → 意図した機器をプライマリに固定しやすい
- モニターインターフェイスを正しく選定する → 実際の障害シナリオに合わせてを組み合わせる